日常的に利用するエレベーターですが、密室であることから、夜間や一人乗りの際などには思わぬ危険が潜んでいます。こうした状況に備えて、最近のエレベーターには警報ボタンや防犯モニター、異常行動検知システムなど、さまざまな防犯機能が備わっている場合があります。

今回は、エレベーターの防犯機能を活用した行動と、普段から心がけたい防犯意識や行動の二つの視点で、日常のエレベーター利用をより安全にするポイントをご紹介します。

技術的な防犯機能の詳細については、別の記事で詳しく紹介しています。あわせてご覧いただくと理解がより深まります。
※防犯機能の詳細について知りたい方はこちら → 防犯機能紹介ページリンク

1.エレベーターの防犯機能を活用した行動

～技術を味方に、安全を確保する～

エレベーターには警報ボタンや高音声センサー、各階停止運転、防犯モニターなど、多彩な防犯機能が備わってる場合があります。利用者としては、これらの機能を正しく理解し、緊急時に活用することが重要です。

●かご内で異常を感じたときは警報ボタンを活用
もしもかご内で体調が悪くなったり、嫌な思いをしたりした場合、かご側面や背面に設置された警報ボタンを押すことをまず意識しましょう。押すとブザーが鳴り、外部の人に異常事態を知らせると同時に、エレベーターは最寄り階に停止し、戸を一定時間開放する機能が作動する場合があります。
日頃から警報ボタンの位置を確認しておくと、いざというときにすぐ対応できます。

●モニターや異常行動検知機能を活用する意識
かご内や乗場に防犯モニターが設置されている場合は、周囲の状況を確認することができます。また、かご内の異常行動や滞留を自動で検知するシステムが搭載されている場合には、モニターの表示や音声アナウンスで注意喚起が行われます。こうした機能を活用して、不審な人物や体調の悪い利用者に気づいた際には、警報ボタンを押したり、大声で知らせるなどの対応が可能です。さらに、モニターで周囲の状況を確認できる場合には、乗り合わせた際の安全確認にも意識を向けることが重要です。

2.普段から心がけたい防犯意識や行動

エレベーターの防犯機能を頼りにするだけでなく、日常のちょっとした意識や行動の工夫も安全につながります。ここでは、乗る前・乗っている間・降りた後に意識したいポイントをご紹介します。

●乗る前の注意

・周囲の確認
エレベーターに乗る前には、周囲に不審な人物がいないかを確認しましょう。密室でのトラブルを避けるため、できるだけ知らない人と同乗しない時間帯を選ぶのも安心です。

・行き先階のボタン操作
行き先階のボタンは、扉が完全に閉まってから押すようにしましょう。もし閉まる前に押してしまうと、後から見知らぬ人が乗ってきた際に、自宅階が知られてしまう可能性があります。

●乗っている間の注意

・立ち位置の工夫
壁を背にして立ち、操作ボタンの前に位置取りましょう。これにより、非常ベルや各階ボタンをすぐに押せる状態を保つことができます。

・相手との距離感
見知らぬ人と同乗した場合、ドア正面には立たず、背中を相手に見せないようにします。自然に距離を取ることで、身の安全を守りやすくなります。

・自然な防衛行動
必要に応じて、スマートフォンで通話しているふりをするなど、相手に不快感を与えずに自分を守る工夫も有効です。

●降りた後の注意

・すぐに自宅に入らない
同じ階で降りる人がいた場合でも、すぐに自宅に入らず、相手が去ったことを確認してから鍵を開けましょう。

・共用部の警戒
通路や階段などの共用部には死角が多く、不審者が潜んでいる可能性があります。ドアを開ける前に必ず周囲を確認し、安全を確保してから入室してください。

●日常的に心がけたい防犯意識

・警戒心を持つ
相手に悪意がなくても、女性や子ども、高齢者は常に警戒心を持つことが安全につながります。

・ちょっとした行動が安全を高める
立ち位置、ボタン操作のタイミング、周囲の確認など、日常の小さな意識や工夫が、エレベーターを安全に利用する大きなポイントになります。

3.まとめ

エレベーターには便利な防犯機能がありますが、すべてに頼ることはできません。乗る前・乗っている間・降りた後のちょっとした行動や意識の工夫と、機能を組み合わせることが、日常の安全を守るポイントです。
まず今日からできることは、乗る前に周囲を確認し、乗っている間は立ち位置や距離感に気を配ること。小さな工夫があなたの身を守ります。